ラン作りがヒマラヤを思い語るとき、
 ヒマラヤ山脈の南側のモンスーン気候の
 雨期乾期のあるエリアの植物である。
 しかし、ヒマラヤの北側から天山山脈に至る
 少雨地帯には、南側とは全く異なる植物相が展開
 されている。
 このエレムレスは、北側の高原に咲く
 ヒマラヤの雄大な白き神々をバックに風に揺れながら
 咲く・・・。

 ヒマラヤの青いケシは霧の中に咲くが、
 この花は、乾燥したさわやかな風の中に咲く。

 宇井清太ランを作る前に・・・・
 ヒマラヤの青いケシと共に、この植物に
 胸を熱くした・・・。

 
 日本のガーデニング熱は、以前は珍種であった植物が、
 今は、無造作にホームセンターで販売されている。
 写真のエレムルスは、前記したようなことを思い出してホームセンターで購入したもの。
 SUGOI-neをマルチ。
 自生地の貧しい炭素循環を想定しての栽培である。



 ガーデニングブームの中で、日本の園芸業者は、世界の隅々まで検索した。
 使える植物のほとんどを商業ベースで販売した。
 地球に秘境はない。
 よって、世界を揺るがすような植物は・・・・もはやどこにもない!
 秘境はある???
 タリバンの軍事要塞のエリアである。 パミールから天山山脈
 中国北部から蒙古・・・・・北国の春の植物があるかもしれない。

 
中央アジアの山岳地。
ここに自生する植物も己の枯れ葉、地上部の死骸?を翌年生きるエネルギー源にしなければならない。
雨が降らなくなる夏には地上部を枯らす。チュウリップ。玉葱、小麦、エレムレス・・・。
ここにも枯れ葉を食べる材木腐朽菌が生息する。
短時間に跡形も無く分解してしまう。


こういう貧しい栄養地帯に自生する植物に、多くの肥料を与えればどうなるか。
絶種である。
ナンプ病、球根腐敗病に冒される。

このことはパフィオにも玉葱にもいえることである。
原産地
  イラン、アフガニスタン、中国、ヒマラヤ・・・砂漠地帯。


 中央アジアにはチューリップ、玉葱、エレムレス・・・と
 ユリ科植物の有用な種が産する。熱帯雨林も植物の宝庫なら、
 過酷な砂漠地帯の中央アジアも植物の宝庫である。


 昭和30年頃。
 宇井清太はこの植物をどうしても栽培してみたくて、
 オランダから種子を輸入して実生した。
 この植物の球根は、砂漠に近いところに自生するのであるが、
 乾燥には弱いという性質をもつ。
 当時はオランダから球根を輸入するには船便ということで、
 日本まで元気な球根のまま輸送することは出来なかった。
 そこで種子を実生したというわけである。

 山形の寒地積雪地帯で冬越し出来るかということであったが、
 玉葱の苗のような姿の葉が雪の下で越した。
 数年後黄色とオレンジの花が咲いた。
 6月下旬。
 この花を「仙台生花市場」に出荷した。

 現在は、切花が空輸で輸入されているとも聞く。
 昭和35年から45年頃までは、本当に珍品の切花だったようである。
 当時のカネで1本1000から1500円であった。
 あの貧しい日本で、この花が市場で1000円以上売れたのである。
 こういうことを書くと・・・いまさらながら、宇井清太も色々やったと思う。

 宇井清太もこの花では絶種させた。
 昭和40年から毎日毎日ランのメリクロンの研究を行った。
 やってもやっても雑菌の混入で失敗。
 当時はクリーンルームもクリーンベンチも無かった!
 無菌にするために有機水銀をフラスコに塗った。
 処理する場所に噴霧した。
 当然体内に入る!
 水俣病・・・・????
 命がけの研究の毎日であった。


 培地。
 ハイポネックス培地。
 毎日雑菌の入った寒天が出る。
 「もったいない」
 この寒天培地をエレムレスの根元に捨てた。
 結果全滅。
 硝酸態窒素の過剰吸収による球根腐敗である。
 こういう馬鹿な失敗も経験。
 こういう失敗の中から・・・この炭素循環栽培法が生まれた
  SUGOI-ne
     エレムレス 栽培
 (eremurus)
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kouza sa115